低血圧 3ステップの治療

低血圧 3ステップの治療

低血圧 3ステップの治療で低血圧改善!

低血圧の治療には、まず低血圧に対する理解を深め、生活療法、さらには漢方薬などの薬物療法と順に3ステップを踏むのがよいです。

  1. 自分の病態を十分に理解する
  2. ライフスタイルの調整を行う
  3. 漢方薬などを使用した薬による療法

第1ステップ

第1ステップは、自分の病態を十分に理解することです。医師や看護師などとで情報を交換し、お互いに納得して治療に励む環境づくりを整えることが大切です。病態について医師から説明を受け納得して治療に同意するという「インフォームド・コンセント」の側面からも重要です。

 

第2ステップ

第2ステップは、ライフスタイルの調整を行う生活療法です。生活上の問題点の把握することが大切です。低血圧には体質とライフスタイルが深く関係しています。この点では高血圧や糖尿病などの生活習慣病(成人病)と同じですから、ライフスタイルの改善は欠かせません。
まず、日常生活を規則正しくすることから始めましょう。睡眠は十分にとります。ただし、昼間寝て夜起きるような昼夜逆転の生活で体内時計に反するようなライフスタイルは好ましくありません。何よりも早寝、早起きを心がけましょう。

 

食事はきちんととります。低血圧の人は午前中は不調がちなために朝食をとりたがりませんが、ホットミルク1杯でもかまいませんから、朝食は必ずとるようにします。食事は、肉、野菜、魚などをバランスよくとり入れ、ビタミンやミネラルを含む食材を上手に組み合わせます。

 

高血圧を改善するには塩分のとりすぎは厳禁ですが、低血圧改善の場合は1日15〜20gの食塩をとるようにします。また、お茶やコーヒー、紅茶などに含まれるカフェインは強心作用があり、血液の循環をよくします。休息をとるという意味でも、こうした嗜好品を適量にとることはよいことです。

 

適度な運動は心肺機能を高めるだけでなく血液の循環もよくなるので、どんな運動でも長続きさせることで、より低血圧改善に高い効果が期待できます。

 

中でも特に勧められるのは水泳です。水の刺激により皮膚や皮下の血管の反射が鍛えられますし、水圧が下肢などの末梢の皮下静脈を圧迫するので、心臓に戻る血流を増やすことができます。同じ理由で、弾力のあるストッキングやタイツを履くのも効果があるようです。

 

第3ステップ

第3ステップは、漢方薬を使用した薬物療法です。漢方薬によって血圧自体が変化することはあまりありませんが、低血圧の症状を改善するには有効です。漢方薬によって血行のバランスが改善され、症状の緩和をもたらすものと考えられています。半夏白朮天麻湯、当帰芍薬散などのほか、苓桂朮甘湯なども用いられます。

低血圧とは?

低血圧は血圧の維持機能が低下している状態を指します。そのため、朝なかなか起きられない、立ちくらみがする、めまいや不眠に悩まされるといったさまざまな愁訴を伴います。

 

低血圧は遺伝的な体質が原因のため、愁訴は気のせい、つまり心理的なものにすぎないといわれていました。同じ血圧異常でも、腎臓障害や動脈硬化など重篤な病気に関係している高血圧に比べると、治療には及ばないと軽視されがちでした。

 

本人も、そうした不定愁訴は低血圧によるものという自覚が少なかったり、あるいは低血圧だから仕方ないとあきらめて放っておくケースが多かったようです。

 

しかし、不定愁訴に悩んだすえ、気分的な落ち込みからうつ状態になったり、老年性のうつ病の発症の誘因になったりというケースも報告され、症状がひどい場合は治療するべきだとの認識が広まってきました。

 

ただし、低血圧についての一定の基準はありません。一般には最大血圧(収縮期血圧)100mmHg以下、最小血圧(拡張期血圧)60mmHg以下が低血圧の範囲とされています。

 

血圧はたいへん変動しやすいので、早朝起床直後の測定が基礎となっています。朝がつらい、めまいがするなどの症状があるときは低血圧を疑ってみましょう。

 

見えない疾患、隠れた疾患ともいわれ、低血圧は誤解されることの多い疾患です。しかも、決してめずらしい病気ではありません。「低血圧で朝起きるのがつらい」という女性は多くいます。

 

低血圧に対して正しい知識をもち、もし身体的変調が低血圧によるものだと考えられる場合は、早めに受診して、治療しましょう。

 

治療をすることで体力と健康に自信がつき、積極的に社会参加できるなど、より豊かな生活を築くことができます。

 

低血圧 子どもの場合

子どもが顔色が悪く、立ちくらみ、めまい、持続性の頭痛や腹痛などの症状を訴えたら、起立性調節障害または起立性低血圧が疑われます。一般に10歳以上の子どもに多く、小学生の5〜10%、中学生の10〜20%にみられるといわれています。乳幼児にはあまり発症しません。

 

午前中体調が悪く、午後になると元気になり、夜間は通常と変わらない状態になります。そのため、家族や学校の先生に怠け者だと思われる子どもも少なくないようです。季節的影響も受け、春から夏にかけて発症したり、症状がひどくなったりする例が多いようです。1学期は午前中に調子が悪いために授業に集中できず、1学期の成績が特に悪い例もしばしばみられます。